2005/11/18

あそこが、私の故郷なの



 車から降りた彼女は、空を見上げてそう言った。
 かなり冷え込んでいるにも関わらず、背筋をまっすぐにのばして。
 夜空にぽっかりと浮かぶ満月を見ながら彼女が言う。
「38万キロ離れたところから見ると、月もきれいね」
 月をじっと見ている彼女の表情はとてもまっすぐで、きれいで、
それでいてどこか寂しそうで。
 俺は思わず彼女を背中からそっと抱きしめていた。
「た、達哉?」
「そうだな、38万キロ離れてるんだな……。けど、きっと俺は
��8万キロ離れてても、君のことがきれいだと思うよ、フィーナ」
「……ありがとう」
 後ろからだから表情はわからないけど、きっと、笑っていた。
 俺は月明かりの下で、フィーナの唇との距離をゼロにした……。



あー、今日も月がすごくきれいだったので、思わずSSが練成されました
とさ(笑)



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