2006/01/17

「半分の月がのぼる空 3 wishing upon the half-moon」橋本紡 電撃文庫



……なんて終わり方をしてくれるのでしょうか。



序盤の展開がすごくあたたかくて、それだけにこの幸せがいつまでも
続かないんじゃないか、という不安があったのですよ。
それは、ほんとに突然やってきまして。
もうそこからは少しでも早くページを繰ることばかりを考えてしまい、
一気に読み終わってしまいました。
ここで、冒頭に書いた感想に辿り着くわけです。



幸せなんてほんのささいなことでいくらでもあったりもするし、
それ以上に不幸なことはすぐそばに転がっていたりするわけで、どちらを
拾うかは時の運なのかもしれない。
や、不幸とか幸せとかで分類することがそもそも間違いなんだろう。
だって、それはごくごく普通の物語なのだから。



終盤で里香の真意が次々に明らかになって、もうどうしようもなく切ない
気持ちになりました。
読み終わってはじめてわかる、里香がカメラに向かって微笑むことの
意味とか。
激しく心が揺り動かされました。



続き物としてはこれ以上ないくらいに劇的な終わり方なので、すぐに続きが
読めるのは幸せな反面、ちょっと不幸なのかも、と思ったりもしました。
だって、モヤモヤを抱えて待ち望んでから読んだほうがおもしろさも
増すのかなあって思いません?
とにかく、続きが気になるので次も早く読みたいですね。



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