2006/06/18

「DEATH NOTE」



「超映画批評」さんではやたら厳しい採点ですが、実際見てみると
あの点数はちょっと低すぎやしないかな、と思った。
以下、ネタバレなので隔離しておきます。





もちろん原作を知っていると知っていないとでは感想に違いが
出るとは思いますが、仮に原作未読でも楽しめる作りになっていたと
思います。



冒頭は状況説明に費やされますが、それは原作をうろ覚えの僕に
とってはちょうどよい展開でした。
映画版の月は「神になる」という感じではなく、法で裁ききれない
悪を偶然手に入れた「デスノート」で裁いていく、といった感じ。
そこには正義感はあるものの、深い信念というものはなかったように
思えた。
デスノートによる「犯罪者裁き」を続けているうちに、世間が
「キラ様」と騒ぐようになっていって、それで少しずつ変わって
いったのかもしれない。



原作には月に恋人はいなかったと思うが、映画では詩織という恋人が。
彼女はどちらかというとキラに対して批判的です。
あとは、月がすでに大学生になっているとか細かい違いはありますが、
だいたい原作どおりだと思います。
警察のデータベースに侵入していた月は、「キラ捜査」をしている
「L」に気づきますが、ここからはじまるLとの戦いは見ものですな。
たとえ原作を知っていても。



FBIと月との戦いは、完全に月の勝利に終わります。
原作でもこのあたりの展開は本当に感心の連続で、ここで「DEATH NOTE」に
のめりこんだような記憶がありますね。
映画版ではレイ役が「細川茂樹」さんなので、日系ぽい名前に替わって
ますが、それは些細なこと。
いささか月が無用心な気もしますが、結果的にそれは月にとって
有利に働いていたのだから、すごいの一言ですわ。



Lも雰囲気はすごく出ててよかったのではないでしょうか。
天才とアレは紙一重と言いますし(笑)。
夜神家の監視についても、月の勝利でしょうね。
ポテチのトリックはすっかり忘れていて、そのシーンが終わってから
「そういやこんなオチだったなあ」と思い出したぐらいでしたから、
ほほ~、と納得してしまった。
まあ、いつポテチにテレビを仕込んだんだろう、とか、どうやって
テレビの処理をしたんだろうとか気になるところはありますが。



そしてもっとも重要なのは、南空ナオミとの戦い。
これは原作とは完全にストーリーが変わっていて、この映画最大の
見どころではないでしょうか。
結論から言うと、南空ナオミは詩織を人質に月を呼び出して、自分を
殺してみろと迫るんですが、隙をついて逃げ出した詩織を撃ってしまい、
錯乱してナオミは自殺してしまうという驚愕の結末。
恋人を殺されてしまい、月にとってはミスだったなあと誰もが思うんですが、
実はそれも月にとっては計画通りだった……。
このオチはさすがに書きませんが、月のすごさがこの一件でわかります。
リュークのセリフもそれを端的に表現してますし。



この件を経て、捜査本部に加わりたいと願う月をLが歓迎します。
ここでようやくふたりが顔を合わせます。
この時、Lはポテチを食べながら登場するんですが、このポテチの種類が
月がトリックに使用したものと同じなのは、「証拠はないが、これが
トリックに使ったことは知っているぞ」というメッセージかしら。
ここで映画は終了で、後編に続くのでした。



僕は原作をそれほど熱心に読んでいたわけではないので、映画で足りない
部分はそれなりに脳内補完できることもあるけど、それを除いても
十分楽しめる出来になっているとは思いました。
「松田、空気読めよ」とか「ミサミサ、そんなに可愛くないかな」とか
ちょこっと不満もありますが、全体を通してみればかなり楽しめましたよ。



ひとつだけ気になったのは、ナオミとの戦いの時に、月がペンを取り出して
ノートに名前を書こうとすると匂わせる行動があるんですが、あれは
どう考えてもおかしいシーンだよな。
あれは視聴者を引っ掛けるためだけのシーンであり、下手をすると月の
正体がキラだとバレてしまう危険も孕んでいるしなあ……。
後編の結末は驚愕の結末だそうですが、映画版では第二部までやらなさそう
なので、月がLに負けるような気がしますよ。
結構うっかりしそうですしね、映画版の月は(笑)



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