2007/03/08
やってやれないことはない
少し言葉を変えると意味合いが変わりますよね。
「やってやらないこともない」(←えらそう)
いや、だからどうしたと言われればそれまでですが。
朝霧家のリビングに入ると、すでに朝霧・鷹見沢家の面々は勢ぞろい
していた。
「はい。みなさん、揃ったようですね。今日は朝霧家主催の『まめまき
パーティー』に参加していただき、まことにありがとうございます」
頭を下げて、穂積さんが挨拶をする。どうやら、司会を務められるのは
穂積さんのようだ。
「まず、はじめに簡単に『まめまき』の歴史についてお話しましょう」
そう言って、穂積さんが話してくれたのは、以前、達哉が教えてくれた
内容とほぼ同じだった。
過去においては悪霊や鬼を払うというのが節分の行事だったが、近代に
なると、その過程のひとつでまめまきを行うようになったのだという。
どうして豆が邪気や鬼を払うのかは、月人である私には少し理解できないと
思ったが、それは地球人にとっての月人居住区のように、未知のものに
対する不安などもあるのだろう。
ふと、気付いた。達哉がいないことに。
きょろきょろとまわりを見ていると、隣にいたフィーナ様が小声で
話しかけてきた。
「どうかしましたか、エステルさん」
「いえ……達哉が……」
いない、と口にするのはなんだか恥ずかしかった。
「ああ」
なるほど、といったように頷くフィーナ様。
「大丈夫ですよ。達哉なら今、準備をしている最中だと思います」
「何の準備を?」
「それは、この後のお楽しみですよ」
と、フィーナ様はやさしく微笑んだ。
いったい、何があるのだろうか。
はい、今日はここまで。
それでは、明日もエステルマジカルがんばります。
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