2007/04/29

「Unlimited Canvas Works」



まえがき
マクさんの書かれたもののつづきになります。
蛇足ではありますが、ネタが浮かんだので書いておきます。





 これで終わりか、と浩樹が思ったとき、結界内にひとりの少女の叫びが
響いた。
「だめーーーーーっっっっ!!!」
 その声が空気を震わせ、風を発生させ、無敵のはずのイーゼルの一撃を
受け止める。
「なっ!」
 驚愕に目を疑う麻巳。
「もしかして、これが風王結界……」
 風王結界。またの名をインビジブルエア。
 無音であり、不可視の神秘の風が、浩樹を守ったのだった。
「これを使えるということは……」
「ダメですよ、竹内部長」
 見えない風をまとい、麻巳の前に現れたのは。
「鳳仙さん……」
 鳳仙エリスであった。
「エリス……どうしてここに」
 浩樹が呟く声に、嬉しそうにエリスは答える。
「もちろん♪ お兄ちゃんを連れて帰るために決まってるじゃない。
もうすぐ夕飯なんだから、ご飯の支度してもらわなくっちゃ♪」
「「……」」
 なぜか、同じようにこめかみを押さえる浩樹と麻巳。
「さあ、覚悟はいいですか」
 不適な笑みを浮かべ、見えない剣を構えるエリス。
 すると、先ほどと同じく強烈な風が、結界内を吹き荒れる。
 風を解き放つエリス。徐々に、その手に持っているものがあらわに
なっていく。
「そ、それは!」
 エリスの持っているもの。それは、1本の絵筆だった。
 飾り気のない、けれど、この世の何よりも美しいと思える1本。
「これは、お兄ちゃんに貰った大切なもの。だから、これで終わりです!」
 エリスは、それを振りかざし、真名を解き放った。
「約束された勝利の剣! エ・リ・ス・カリバー!!!!」
 強烈な光が、結界内を覆いつくし、浩樹と麻巳を飲み込んだ。
「ちょ、なんで俺まで……」
 浩樹の呟きすらも飲み込んでいく光の海。
 食べ物に関することになると、力をセーブできないエリスは、皆に影で
『食欲王』と呼ばれていた。 



こんなところでいかがでしょうか(えー



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