2009/02/14

どたばたしながら



「ちょ、ちょーっとだけ待っててね。もうすぐ、もうすぐできるからっ。
……え、ええっと、色はチョコレートっぽいから兵器だよね。……あれ、
平気平気。うんうん。……苦くても、愛情はいっぱいだよ?」



食感は「ざりっ」でしょうか。



うむー、映画を見たまでは順調だったのですが、駐車場を出るのに30分も
かかりました。ああいう駐車場は、順路を決めるべきだよね。あと、出入り口を
もう一箇所増やすとか。割り込みってわけじゃないんだけど、みんなが
中央の出口に集中するから、各列の動きにムラも出るし、親切な人じゃないと
入れてくれないし。
出入り口のところで駐車券を受け取るサービスするぐらいなら、ちょっと中で
車の誘導してくれたほうが何倍もいいよ。
結局、映画終わった人と、ライブ終わった人がたまたま一緒になったので、
渋滞になったんでしょう。これなら、おとなしくごはん食べてから帰ったほうが
よかったなあ。
早めに帰りたかったんで、近くのマクドナルドにしたのですが、出口待ちのせいで
早くなったわけでもないし。
まあ、こんな機会でもなきゃ店に行かないし、ジューシーチキン赤とうがらしと
マックポークをはじめて食べられたからよかったと思うことにします(笑)



 終わりのホームルームが始まったときに、突然放送が入った。
『ぴーんぽーんぱーんぽーん。みんな久しぶり。元会長の千堂伊織です。
ちょっとだけ俺に時間を貸してくれ。なあに、時間は取らせない。
今日が何の日かは、みんな知っているよね。……そう、バレンタインデーだ。
どうやら今年は、生徒会のメンツが中心になって、何かやってくれるらしいよ。
時間のある人は、噴水前に集合だ。それじゃ♪』
 それぞれの教室から、キャーという黄色い歓声が聞こえる。あの人は、いったい
何をするんだ?
『あー、言い忘れたけど、これは瑛里華に頼まれた放送なんだよ。そこのところを
わかってくれると、未来のお兄ちゃんはうれしいよ、支倉君♪』
 わざとらしく付け足された放送に、それぞれの教室から笑い声が起こった。
「あの人、ほんとなんでもアリだな」
「んで、未来の弟はどうすんだ、孝平」
「どうするって、行くしかないだろ、司」
「ま、がんばれ」
 孝平はかばんを持つと、ダッシュで駆け出した。



 噴水前に着くと、放送を聞いたであろう生徒たちがたくさん集まっていた。
 泉の前には簡単なステージが作られている。
「いったい、何が起こるんだ?」
 と孝平が呟いたとき、どこからともなくマイクの音声が聞こえてきた。



かなで「修智館学院に集いし、我ら5人の美少女っ」
桐葉「……清く、正しく、麗しく」
陽菜「た、珠津島と学院の平和を守りっ」
瑛里華「愛と勇気と希望と幸せにあふれた学院生活をとことん盛り上げる!」
白「ふぉ、ふぉ、『ふぉーちゅんファイブ』っ。ここに参上です~」



 ちゅど~ん
 という音と五色の煙とともに現れたのは、お茶会の面々だった。
 いや、一応生徒会のメンツというべきなのだろうか。
「みんな、今日は来てくれてありがとう♪ せっかくのバレンタインなので、
今日は私たちでチョコレートを用意したの。男の子も女の子も関係なく、みんなに
プレゼントするわ♪」
 なぜか美化委員会の制服に身を包んだ瑛里華が、満面の笑みで宣言した。
 そして、周りにいる4人も、同じく美化委員会の制服だった。
「うんうん、俺が自腹を切った甲斐があったというものだ」
「伊織先輩? いつの間に」
「最初っからさ。さて、それじゃ俺たちもチョコを配るのを手伝おう!」
「……めちゃくちゃ楽しそうですね、伊織先輩」
「もちろんさ。支倉君はどうだい?」
 孝平は壇上の瑛里華を見て、こう言った。
「楽しいですよ、とっても」
 そう、無条件でそう思えるほど、瑛里華は輝いていた。



ちょっと予定が狂ったので、2場面です。
本当は、今日は普通のSSにして、イベント終了をいつものお話にしようと思って
いたのですが。ま、仕方ないやね。
「ふーちゅんV」のセリフは、完コピではおもしろくないので、ちょっとずつ
アレンジしました。



映画の感想は明日にでも。



それでは、明日もエステルマジカルがんばります!



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