2009/03/30

お腹がすいたら



「おやつを食べればいいじゃない。わたしにも分けてよ? って、何だおやつも
ないんだ。もう、しょうがないなあ。それじゃあ、わたしでよかったら」



セリフが途中なのか、それともそうでないのか。



昼間でもけっこう寒いんですが、こんなふうに感じるのは僕だけかしら。
今日はいつもの飴ちゃんもなくなって、お腹がすきまくって気分が悪くなるし。
いかんいかん、もっときちんとした生活を送らないと。



「みなさま、お待たせいたしました。それではただいまより、送別会&大お花見
大会を開催いたします!」
「いやっほぅ! 今日はとことんまで飲もうじゃないか、なあみんな?」
「きゃー、伊織様~☆」
 瑛里華の開会の挨拶に、伊織の声が重なり、さらに黄色い悲鳴がたすきがけされた
大お花見大会がはじまった。
「まったく、兄さんには困ったものね」
 そう言いながらも、瑛里華の表情は困っていない。
「千堂先輩は、きっと場を盛り上げようとしてるんだよ、えりちゃん」
「それは間違いじゃないと思うけどねぇ」
 陽菜のフォローにも、苦笑を浮かべざるをえない瑛里華だった。
「それにしても、まさかこんなに集まるとは思わなかったわね~」
「今年は桜の開花も早まってるからね。最後のイベントだし、みんな参加したいって
思うのも当然じゃないかな」
 それに、参加しているのも生徒だけではない。教職員をはじめ、学院関係者や学生の
父兄たちまでも参加する大規模イベントなのだ。
 先日のお茶会で、瑛里華が提案したのがこのイベントだった。
「卒業生の送別会だけでなく、お花見も一緒にやりましょう。それに、どうせなら
生徒も教師も父兄もみんなが楽しめるイベントにしたほうが、おもしろいと思わない?」
 オークションで予想以上に儲けが出たこともあり、資金も十分。それに加えて、卒業祝い
ということで、学院創設者からも多額の寄付があったこともあり、無事にこうしてイベントを
開くことが出来た。
「それじゃ、私たちも食事をいただきましょうか。せっかく鉄人も参加してくれているん
ですもの」
「そうだね。それじゃ行こうか、えりちゃん♪」
「ええ、陽菜ちゃん♪ ……うふふっ、なんだかあの頃に戻ったみたいね」
 陽菜と瑛里華は、仲良く手をつないで料理コーナーに向かった。



「千堂さん、ずいぶん楽しそうね」
「それはそうだろう。瑛里華が企画したそうだからな。発案者としては嬉しいだろうさ」
「伽耶も、手伝っているしね」
「さて、何のことやら。……あー、桐葉、そこのたこ焼きでも食べようではないか」
「ふふ、いいわよ。私が取って上げるわ。……はい、どうぞ」
「……あたしは、たこ焼きを頼んだはずだが」
「どこからどう見てもたこ焼きじゃないの」
「たこ焼きとは、そのような『真紅の血液』色はしておらぬ!」
「おかしいわね、吸血鬼なら喜んで食べると思ったのに」
 桐葉はふところに謎の小瓶をしまいこんだ。



「あの方も、表情がおやさしくなられたな」
「はい。最近は、わたしにも話しかけてくださることが増えました」
「よかったな、白」
「はい♪ 兄さま、わたしたちも何か食べませんか」
「ああ、そうするとしよう」



「しろちゃんたちはいっつも仲良しだねえ。よし、こーへー。わたしたちも負けない
ように仲良くやろうよ!」
「でも、俺たちは姉弟じゃありませんよ、かなでさん」
「細かいことは言いっこなしだよ。こういう時は、楽しんだもの勝ちなの!」
「確かにそうですね。それじゃあ、俺たちも食べることにしましょうか。かなでさんは
何が欲しいですか、俺取って来ますよ」
「ほんと? それじゃあ、お鍋をお願いしようかな♪」
「いや、お花見に鍋はないでしょう……って、ぐつぐつ煮えてるー?」
「わたしがちゃーんと頼んでおいたんだよ。鉄人特製のかなでなべ♪」



「悠木さんはやっぱりにぎやかね」
「そういう先輩は、やっぱり静かっすね」
「しょうがないわ。こういう性格なんだもの。あなたも、私の相手なんてしなくてもいいのに」
「……先輩、今日で卒業っすから」
「とは言っても、またお店で会えると思うんだけど?」
「いいじゃないっすか。さあ、俺らも食べましょう」
「そうね。それじゃあ、普段あまり家で食べない中華にでもしましょうか」
「っす」



「あらあら、八幡平君の意外なところを見てしまいました」
「人には色々な顔があるんだよ、志津子ちゃん♪」
「そういう貴方は、いつも同じように見えますね、千堂君」
「やだなあ、志津子ちゃん。今日は『いおりんっ☆』って呼んでもいいんだよ?」
「はいはい、わかりました、千堂君♪」



今日はここらで。
やっぱり最後はにぎやかじゃないとうそだよね♪



FAのドラマCD、5巻を聴き終えました。
なんと言っていいか、とにかく素晴らしすぎます。本編で足りない部分を
きちんと補完してくれる、ドラマCDとしては申し分ないですよ。
誰もが気になっていた、陽菜と瑛里華の関係が、ここでようやく完全になりましたから。
僕も呼び方については気になっていたので、SSで補完したことがあるのですが、
ドラマCDほどドラマチックには出来ませんでしたね。ちょっとくやしい(笑)。
そんなわけで、買っても積んでいたり、まだ買っていない人は、がんばって
聴いてみる事をオススメします。



実は、少しテンション下がり気味だったんですが、SS書いていたら元気が出てきました。
うん、すでに自分のお話という感覚はなく、キャラが勝手に喋ってくれるのを書き
つないでいるような感覚です。
ぶっちゃけ、ネタをどうしようと考える暇もないので、ネタをひねりだすスピード
だけは早くなった気がします。
いよいよあと一歩です。



それでは、明日もエステルマジカルがんばります!



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