2009/03/31

忘れ物はありませんか



「ほんとに大丈夫? わたしへのプレゼントとか、贈り物とか、貢物は?
え、用意してあるんだ! すごいすごい、それじゃあ、明日はデートしようね♪」



年度末だからといっても、特に何かあるわけではなく。ごくごく普通に今日を
終えました。仕事での変化って、ほんと少ないです、うち。
まあ、来年度も存続していますように。



「やあ、支倉君! 盛り上がってるかい?」
「前会長、ええ、料理もおいしいですし、楽しんでますよ」
「そうかそうか。それじゃあ、もっと盛り上げてやろうじゃないか!」
「いえ、別に無理しなくても」
「俺が無理なんてしていると思うかい?」
「……これっぽっちも思いませんね」
「ははっ、言うようになったね、支倉君。それじゃあ、また後で♪ おっと、
これは俺からのプレゼントだ」
 伊織は手に持っていた飲み物を孝平に渡した。



「どうしたの、孝平くん。はい、鉄人特製のソースやきそばだよ。もちろん、
紅しょうがは抜いてもらったから」
「サンキュー、陽菜。いや、伊織先輩がさ、また何かやるらしくて」
「……えりちゃんと、兄妹で何かやるのかも」
「え? ……あ、いつのまにかステージに上がってるな」



「レディースアーンド……ジェントルメーン! みんな楽しんでるかー!!
……うんうん、そうかそうか。俺もすごく楽しんでるよ☆」
「いつも以上にテンション高いわね、兄さん」
「それでは、千堂兄妹のショートコント!」
「え、ちょっと待って」
「隣の塀に囲いが出来たんだってね~?」
「塀を囲んで、どうすんのよ!」
 ビシィ!!
「いつもよりツッコミが強烈だぞ瑛里華~~~…………」
 キラッ☆と光って、伊織は星になった。



「あやつは、何をやっておるのだ……」
「楽しそうだからいいんじゃないかしら。ほら、もう戻ってきたみたいよ」
「まったく、吸血鬼というよりはゾンビだな」
「あれがゾンビだとしたら、ゾンビのファンクラブができるんじゃないかしらね」



「さっすがいおりん! よーし、しろちゃん、ひなちゃん、わたしたちも負けて
られないよ!」
 かなでが白と陽菜を連れてステージにあがった。
「え、かなで先輩?」
「こうなったら、あれをやるしかないねっ」
「お姉ちゃん、いったい何を」
「修智館学院に集いし……」
「ふぉーちゅんファイブはやらないからね?」
「えー、ひなちゃんいけずー」
「……しょうがないなあ、もう。今日だけだよ?」
「やっぱりひなちゃん♪ わたしのヨメだー」
「違いますよ、かなでさん。陽菜は俺の嫁です」
「ここ、孝平くん?」
「何度でも言うぞ、陽菜は俺の」
「ちょ、ちょっと孝平くんってば! ……あれ、もしかして、立ったまま寝てる?」
「わー、支倉先輩が先生方用に準備したアルコールを飲んでしまったみたいです~」



「う、ううん……」
「あ、孝平くん、気がついたみたいだよ」
「まったく、こーへーは最後までわたしに心配をかけるんだから。……でも、
お姉ちゃんはあのひとことが聞けたから安心かな」
「え、何のことですか?」
「さあね♪ 後でひなちゃんに聞いてみるといいよ」
「俺、何か言ったのか、陽菜」
「……孝平くんの……ばか」



「それじゃあ、最後にみんなで写真を撮ろうか。俺がタイマーセットをするから、
みんなそこに並んでくれたまえ」
「まったく、最後までしきってくれるわね。ほんとは私がやろうと思ってたのに」
「伊織はいつまでも伊織、ということだな」
「そういう征一郎もいつもと変わらぬな」
「伽耶だって、見た目も中身も変わらないでしょうに」
「紅瀬先輩は、よく笑うようになったと思います」
「確かにな。もうフリーズドライなんて言われないな。先輩も、笑ってみたらどうっすか」
「あら、私は笑う時と場所をわきまえているだけ。あなたの前とか、ね」
「ほらほら、まるちゃんも並んで並んで!」
「こら、悠木さん。あまりひっぱるとおしおきですよ?」
「それじゃあ、陽菜。最後の号令を頼むよ」
「え、私? ……わかりました。それじゃあ、いくよ。月は東に、日は西」



『に~!!!』



 その写真は、誰にとっても最高の思い出になった。なぜなら、写真に写っている
全員が、最高の笑顔だったから。



というわけで、これにて「陽菜編」完結です。
読んでくれていたみなさま、どうもありがとうございましたっ(ぺこり)。
まさか5人分書くことになるとは、そして書き終えることが出来るとは。
達成感などはまだないのですが、いずれじわじわくるのかな。
ラストエピソードはテンション全開で、ドラマCDがあったからこそ生まれました。



陽菜の分は「陽菜の微笑み」というタイトルでまとめておきました。
今までで一番長くなりました。最後だから、いろいろ盛り込もうとしていたのかも。
さすがに、来月からは普通の日記に戻ります(笑)。
落ち着いたら、自分なりに思ったことを書いておきたいと思っています。



それでは、明日もエステルマジカルがんばります♪



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