2009/03/29

桜との再会までは



「死んでも死にきれないよね! というわけで、ちゃんと宿題を片付けてから
お花見なんだからね。宿題が終わってからがお花見ですって、可愛い女の子が
言ってるでしょ?」



誰だっけ? っていうツッコミはNGです。



春らしいお天気ですね~。
最近はあたたかくなってきたことでもあるので、風呂に入る前に少しだけ
筋トレっぽいことを。
ほら、冬だとあんまりやる気になんないんだけど、春だと薄着でも平気だし、
がんばろうって気になりませんか?
……僕だけかしら。



「それでは、恒例となりました白鳳寮主催、オークション大会を開催します」
 談話室には大勢の学生が集まっている。いつもよりも人数は多いのは気のせいでは
なく、事前に噂が流れたからだ。



「おい聞いたか。今度のオークションさ、礼拝堂の備品が出品されるらしいぞ」
「それがどうかしたのか?」
「よく考えてみろよ。あのシスター天池が使っていたかもしれないんだぞ。これは
レアな一品だと思わないのか?」
「言われてみれば……。それに、礼拝堂って事はローレル・リングでも使われていた
ってことだよな」
「ああ。ということは、あの東儀さんが使っていたって事も……」
「やあねえ、男って。でも、礼拝堂の備品ってけっこう装飾も凝ってて素敵よね」
「そうそう。アンティークにこだわるわけじゃないけど、お値打ちだったら欲しいよね。
そういうのでお茶を飲むと、なんだか味わいも違う気がするし」



 というわけで、それぞれの思惑が交じり合って、いつも以上の熱気となっていた。
「ではまず、このお皿から。少しヒビは入ってるけど、この柄とかとっても素敵だよね。
��枚セットで、500円から」



「お次はティーカップ。むむ、なんだかすごく英国風な感じが漂ってきます。これで
紅茶を飲むと、また格別なんだろうな~。私も欲しい逸品です。これはソーサーも
つけて、200円から」



「次は、フライパンだね。最近は中華鍋とかのフライパンも多いけど、私はやっぱり
普通のが好きかな。寮ではあまり使う機会がないけど、持ってても損はないと思います。
あれ……なんだかここに凹んだような後があるけど……、もしかして、シスターが
『使った』のかな? じゃあ、800円からで」



「最後に一番の大物。どういうわけか礼拝堂から提供された安楽椅子です。ちょっと
置き場所に困るかもしれないけど、一番お値打ちな品だったりして。これであなたも
安楽椅子探偵になれる……かもしれませんよ? じゃあ、1000円から」



 結果からいうと、大盛況のうちにオークションは終幕を迎えた。
「こんなに盛り上がるなんて思わなかったね」
「ああ。ただの備品で骨董的な価値があるかどうかもわからないのに、ほとんどが
最初の設定価格より高く売れたもんな」
 お茶会でも自然とオークションの話題になった。
「でも、いいことじゃないの。使わなくなった物でも、使ってもらえる人の
ところにいけば、品物も人も嬉しいわよね」
 嬉しそうに瑛里華が言う。
「そうですね。わたしたちもお手伝いができてよかったです♪」
 白がにっこりと微笑んだ。
「それにしてもこの売り上げは予想以上なんだけど、これはどうするんだ?」
「うん。寮内で使う共用の消耗品とか、観葉植物とか。今まではそういうのに使ってた
みたい。それでもまだまだ余裕があるんだけど……」
「それじゃあ、突撃会長からひとつ提案があるんだけど、いいかしら?」



あと2日ですね。もう一息なので、最後まで気を緩めずに駆け抜けたいです。
いろいろ読みづらいとは思いますが、もうちょっとだけガマンしていただければと思います。



それでは、明日もエステルマジカルがんばります♪



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